ものづくりの付加価値を見つめ直すきっかけに。
成和第一産業株式会社
社長 髙林 均幸 様
髙林 宏直 様
http://www.seiwadaiichi.websapo.jp
昭和22年8月、織物のまち浜松に創業・設立。綿素材中心の高級衣料品向けサプライヤーとしての地位を確立しながら、時代の流れとファッション界の動向の変化とともに、綿と他素材との組み合わせなど、従来の概念にとらわれることなく、多種多彩な生地を開発・生産・提供できるようになっています。
さらに近年では、他産地とのコラボレーションや中国への関連会社設立や海外ハイブランドへの生地供給など、グローバルな展開も活発になり、発展を続けています。
また昨年には、オリジナルのチノクロスを使用した浜松発のブランドチノ『HAMAチノ』も誕生し、注目を集めています。
グローバル化とブランドの立ち上げをきっかけにホームページを開設。『ウェブサポ』で一番手頃なライトプランを活用し、基本的にはご自身たちでホームページを作成、運用されています。ホームページを立ち上げたことで『HAMAチノ』を宣伝する場所はできたものの、なかなか活用しきれていないと感じているそう。また、SNSももっと活用していきたいとのこと。
『HAMAチノ』の魅力をうかがいながら、ホームページの現状、今後の展望をヒアリング。ホームページとSNSの上手な棲み分け・連携・活用方法などをアドバイスさせていただきました。

『ウェブサポ』のライトプランをご利用いただき、トップページのイメージなど大まかなデザイン部分をお手伝いさせていただいた他は、基本的なページ作成は成和第一産業さんの方で手掛けられました。
『HAMAチノ』が浜松商工会議所さんの『やらまいか認定』を得るために、ホームページでの広報が必要だとなりました。
同時に、海外を意識した取り引きの布石としたいという、当時のホームページ担当者の想いが重なってのホームページ開設でした。ですから、英訳もある仕様になっています。
まずは予算を最小限にと、『ウェブサポ』のライトプランを利用することになりました。それでも、会社の第二の顔となるトップページにはこだわりたかったので、トップには浜松をシンボルにした写真を使いたいと『ウェブサポ』さんに相談。浜松城、中田島砂丘、浜名湖、アクトタワーなどの、まさに浜松のシンボルという案から、中田島砂丘を採用しました。
しかし、案の中には、中国など海外の取引先の方々の顔写真なども提案していただきました。面白い案だなと思いましたし、ワールドワイドな会社だというアピールにもなると思いました。こうやって第三者視点を入れることも大事だと、改めて感じました。


成和第一産業さんのホームページ制作担当者さんは、高度なパソコン操作やWEBの知識をお持ちでしたので、とてもスムーズに制作が進行したと記憶しています。
訪問せず電話1本で、タイムリーにアドバイスができたことが大きかったと思っています。
現在、彼にホームページの管理を一任していますが、なかなか「運用する」というところまでに至っていないのが目下の悩みです。また、SNSとの連携などといった活用もできていません。
SNSなどを上手に活用している方たちなどに、この悩みを相談すると、「写真を撮って、コメントをつけて、アップするだけだよ」と、アドバイスをくださいます。
でも、皆さんにとって簡単な部分が、私たちにとっては簡単ではなくて、そもそも相談しているのは、もっと基本的な部分なんです。写真を撮るって、どんな風に?どんなタイミングで?コメントって何を目的に?とか、そういったことが分からないんですよ。
なるほど。
まず、ホームページの運用やSNSの活用・連動についてですが、きれいな写真や文章にこだわりすぎず、とにかく鮮度の高い情報を、できるだけ頻度高くアップすることの方が重要なんです。なぜなら、鮮度の高い情報の方が信頼感や安心感があるからです。
更新することにあまり慎重になりすぎると、更新速度が遅くなり、旬な情報の時期を逃してしまうだけでなく、更新していないホームページは信頼性だけでなく、検索ヒットも落ちるので、広報の機会を逃してしまします。
躊躇せず、更新頻度が高いお知らせやブログ、SNSなどはフレンドリーに、どんどん発信していく。逆に、開発ヒストリーなどはとことんこだわって作り込む。このバランス感が大事だと思います。
すばらしい『HAMAチノ』というブランド商品があるので、ホームページから成和第一産業さんをしっかりブランディングしていくこともおすすめしたいです。
確かに、チノを含めた何万点という成和第一産業の製品は、優れたものづくりの技術で作られた生地ばかり。もっと私たちが、ものづくりのプライドを持つことも大事ですよね。
現に、イギリスのハイブランドで、私たちが織ったコール天生地が使用されるなど、評価されている生地がほかにもあります。今後、ホームページの充実・運用をしっかり進めていくために、成和ブランドを見つめ直し、発信していきたいと思います。


私たちもしっかりお手伝いしていきたいと思いますので、ご相談ください。
さて、改めてといいますか、『HAMAチノ』についてお話をおうかがいしたいと思います。
まずは『HAMAチノ』の誕生について教えていただけますか?
きっかけは、取引先とのご縁でアパレルデザイナーの野田仁さんをご紹介いただいたときです。
野田さんが、私どもの製品の一つであるチノクロスに魅了されたとうかがいました。そして、どれだけすばらしい生地なのかを熱弁され、チノの生地を使って浜松を舞台にものづくり発信してはどうかと提案していただきました。
野田さんは、日本の優れた織物技術で織られる高品質の生地を絶やしたくない、廃れそうになっている産地を復興したいという思いがありました。日本の優れた織物産地の復興を目指す団体『Blue LOOM PROJECT』を立ち上げ、2018年にものづくりを支援する国の補助事業に採択されました。
このプロジェクトには、私どものチノクロスが生まれた地・遠州のほかに尾州・播州・児島の4地区の織物産地が参加。
昨年、イタリアのミラノで開催された『ミラノウニカ(海外素材展示展)』にも出展して、メイド イン ジャパンの実力と魅力をPRしてきました。
先ほどお話ししました、イギリスのハイブランドでコール天生地が採用されることとなったのも、この展示展で繋がれたご縁があってのものです。

そこからどのようにして『HAMAチノ』が商品化されていったのですか?
『Blue LOOM PROJECT』の第一弾として、昨年(2019年)『HAMAチノ』商品化のためにクラウドファンディングを活用。目標額に到達し、商品化することができました。
野田さんがいなければ、クラウドファンディングの活用など思いも付きませんでしたし、そもそも『HAMAチノ』というブランドも生まれなかったと思います。


『HAMAチノ』の魅力はどんなところにあるのでしょうか?
それを語るには、まずチノクロスのことをお話ししなくてはならないでしょう。
私たちは、後染めの織物が特長の浜松において、チノクロスはもっとも適した素材だと思っています。そういったチノクロスへのこだわりが、オリジナルのチノクロス『Mr.CHINOCLOTH』を生み出し、『HAMAチノ』の誕生に繋がりました。
『Mr.CHINOCLOTH』最大の特長は、浜松生まれの織機「TOYOTA GL-9」という、100年前のヴィンテージ織機で織られているということ。低速でガッチャンガッチャンと織られるシャトル機織る織物の中で、一番浜松の織物の特性を出している逸品だと自負しています。シャトル機で織ることで生まれる味わい、しっかりしていながら肌触りのやさしい質感、長持ちする丈夫さなど、マニアが見たら品質の差は歴然です。
生地の魅力が『HAMAチノ』の魅力というわけですね。
そうです。あとは、デザインや履き心地など魅力はさまざまありますが、私たち織屋が語るとどうしても織りの方に熱が入ってしまいます(笑)。
1960年後半〜1970年代のアメリカ軍のオフィサーズチノをベースにしたスタイリッシュなフォルムや、リスペクトしたボタン、赤耳などデザインもこだわっていて、問い合わせは徐々にですが増えてきています。

ライバルは岡山デニムですね!
いえいえ、リスペクトしていますが、ライバルなんて、おこがましいです!
『HAMAチノ』はまだ生まれたばかりですし、口コミやお取り引き先などの信頼や人脈、そして新聞・ラジオなどメディアのご協力もあり、少しずつお問い合わせは増えていますが、販路には課題もあります。これからが本当の勝負だと思っています。


ネット販売も、『ウェブサポ』はお手伝いできますので、ご相談ください。
そうですね。私たちはハード部分の会社なので、アイディアはいっぱいあってもなかなか実限しないのが現場。これからは、アパレルから生地を受注するマスセールスの時代ではない。自分たちの技術や製品の価値を見直し、もっと付加価値としてセールスしていきたいですね。そうして、自分たちの価値を再認識したうえで共有し、WEBサイトを運用できるものに整備して、SNSの活用にも繋げていきたいと思っています。
まずは、成和第一産業のものづくりを知ってもらうページを充実させて、浜松メイドの品質と価値に共感していただけるきっかけにしたい。そこから『HAMAチノ』の販売網に綱げていければと思います。
助成金を活用してホームページを作ったりアップグレードされるお客さまも多くいらっしゃいます。
『ウェブサポ』は、費用以上の出来栄えの満足度以外にも、費用以上のシステムなどハード部分に関わる満足度にも貢献できるアドバイスやサポートもおこなっています
『HAMAチノ』は私もお気に入りのアイテムになっているので、応援させてください。今日はありがとうございました。
